Amua - ロバのひとみにすむ惑星の、はなし –

2023.04
Amua - ロバのひとみにすむ惑星の、はなし –

ある日、この惑星に途方もない大雨と共に洪水が襲った。
その災害で、何もかも流され…amuaの記憶も失った。
その日から、ロバとともにamuaは友達探しの長い旅が始まる。

この物語の舞台である惑星とは、
鹿児島にある、知的障がい福祉施設『しょうぶ学園』のこと。
(1973年に誕生)

門を潜ると、学園を囲むように木々が青々と生い茂っている。池には水草が凛と生え渡り、時折聞こえるロバと山羊の鳴き声と鳥たちのさえずり。….光や風さえも感じさせるこの一帯に、一瞬、彷徨ってこの地に到着したような、そんな不思議な錯覚に陥ってしまう。

この環境の中『園生』と呼ばれている、知的に障がいを持つ人たちが日常、布·木·紙·土を素材に『つくる』という創作活動を行っている。
生まれてくる作品は、心に赴くままのエネルギーに満ちた作品ばかり。

絵本『amua』は空想的な冒険物語ではなく、純粋な『園生』と、自然との共振性の中から生まれでるこの場所『しょうぶ学園』の、ありのままの日常の姿を描いたものです。

混沌とする世界情勢の中にいて、今最も必要とする大切なものとは『何か』を、そっと心に問いかけてくれる、純真な物語です。


文:篠原 芳子
絵:薮下 育絵
文字:隅谷 瑞
表紙:nui project

企画・構成:イワタトシ子
デザイン:藤本康一
翻訳:Yumiko Sandoe
翻訳校正:Garnett Hunter Leary Jr

和紙制作:工房しょうぶ(和紙班)
印刷製本・パッケージ:工房しょうぶ制作チーム
製本指導:馬頭洋子
監修:福森伸

発行者 しょうぶ出版